アロマテラピー

ラベンダー活用法

つい先日やけどをしました。すぐにラベンダーのエッセンシャルオイルを付け、冷やしたところ幸い痕が残らずに済みました。とても痛かったのですが、冷やしている間も香りにも癒されました。

そんな生活の必需品であるラベンダーですが、園芸店やアロマ専門店でもいろいろな種類のものが見かけられると思います。

そこで今回はラベンダーの種類とその特徴、用途についてご説明したいと思います。

目次
  • ラベンダーの種類
  • ラベンダーの用途
  • ラベンダーの香り、特徴

ラベンダーの種類

ラベンダーは交雑種を生じやすい性質を持ち、たくさんの種類があります。有名なものは南フランス・グラースや北海道の富良野ですね。

ラベンダーは、地中海沿岸が原産のシソ科ラベンダー属の植物です。

主に6種類の系統に分けられます。

アングスティフォリア系

地中海沿岸でも冷涼な、イギリスのような気候の場所に育つラベンダーです。

そのため「イングリッシュ・ラベンダー」と呼ばれることが多いのがアングスティフォリア系のラベンダーです。基本的なラベンダーなので「コモン・ラベンダー」と呼ばれたり、他のラベンダーと区別するため、「トゥルー・ラベンダー」「真正ラベンダー」と呼ばれたりします。

青紫色の粒のような花は、とても香りが強いのが特徴です。この系統のラベンダーは香料を採るために栽培されます。香料以外にもドライフラワーにしたり、ラベンダースティックなどのクラフトに利用したり、お茶やお菓子の香りづけに使われるなど、さまざまに利用されています。

代表的な品種は「ヒドコート」や、北海道の富良野に植えられている「オカムラサキ」です。

■スパイカ系

地中海沿岸でも西側の方やポルトガルに自生するのがスパイカ系のラベンダーです。夏の暑さに比較的強いのが特徴です。スパイカ系のラベンダーは「スパイク・ラベンダー」または「ラティフォリア・ラベンダー」と呼ばれます。銀灰色の幅の広い特徴的な葉があるので「ヒロハ・ラベンダー」と呼ばれることも。

スパイカ系は、アングスティフォリア系のラベンダーから甘さを引いた、すっきりとした香りをもちます。

■ラバンディン系

ングスティフォリア系とスパイカ系が自然交雑されて、または人工交配させてできたのが、ラバンディン系のラベンダーです。香料用の精油を採るために作出されたラベンダーで、花だけでなく葉からもややツンとした強い香りがします。

ラバンディン系は、耐寒性も耐暑性もあるので、庭でもっとも育てやすいラベンダーです。

■ストエカス系

同じラベンダー属の植物ですが、アングスティフォリア系など他のラベンダーとは大きく趣が異なるのがストエカス系のラベンダーです。

楕円形の花穂の先から数枚の大きな花びら(*正しくは花びらではなく苞葉です)が伸び、まるでうさぎの耳のような花形がかわいらしい印象です。ストエカス系は、日本では「フレンチ・ラベンダー」と呼ばれます。ヨーロッパでは地域により「イタリアン・ラベンダー」「スパニッシュ・ラベンダー」とも呼ばれています。

ストエカス系のラベンダーの香りは他に比べて弱いのですが、甘さのある良い香りです。

観賞用のラベンダーとも言えます。

■プテロストエカス系

一般に「レースラベンダー」または「ファーン・ラベンダー」と呼ばれるのがプテロストエカス系のラベンダーです。細かい切れ込みの入った繊細な印象の葉が特徴です。ツンとした、薬っぽさを感じる香りがします。

■デンタータ系

花茎が太くしっかりとしていて、大型に育ちます。「デンタータ」は、ラテン語で「歯のような」という意味。ぎざぎざの切れ込みがある、ユニークな葉の形からつけられた名称です。「デンタータ・ラベンダー」、「フリンジド・ラベンダー」ときに「フレンチ・ラベンダー」と呼ばれます。

ラベンダー の用途

ラベンダー油がミイラを作るさいの防腐剤として使われていたことからわかるように、古くからラベンダーはさまざまな薬効をもつ植物として利用されてきました

ローマ時代には傷を洗うさいに、ラベンダー水が使われていたといいます。

高い鎮静効果から不眠の特効薬とも言われます。

・ラベンダーの乾燥させた花をたんすの引き出しやクローゼットに掛けておいたり、室内の芳香剤としてポプリに利用されたり、小さな匂い袋(サシエ)にしてカバンに忍ばせたり防虫剤として使われます。

ハーブティーにして飲む

花を砂糖漬けにしてお菓子の材料にしたり、料理の香りづけにも使われます。

利用範囲が広いことから、ラベンダーは「ハーブの女王」と呼ばれています。

アロマテラピー(芳香療法)は、

香りで気持ちをリラックスさせる方法として、日本でも気軽に多くの方が取り入れています。

・ヨーロッパでは「リラックス」に留まらず、外傷や胃腸炎、婦人科系の病気まで、さまざまな疾患に効果がある代替え医療としてアロマテラピーが根づいています。

アロマテラピーではラベンダーの精油には高い鎮静作用があり、心身をリラックスさせる効果があるとされます。さらに自律神経を整える働きもあるので、ストレス性の胃腸障害や不眠に効果があるといわれます。火傷の治療としても有名ですが、炎症を抑える作用と皮膚を再生させる働きがあり、ケロイドなどの傷跡を残さず治すことができるとされています。

ラベンダーの香り、特徴

エッセンシャルオイルでよく売られているのが以下の3種類です。

  • 真正ラベンダー
  • スパイク・ラベンダー
  • ラバンジン

真正ラベンダー

初心者におすすめの1本です。万能とも言えるほど幅広く活用でき、アロマテラピーには欠かせないオイルです。産地により香りが微妙に異なるので、買う前に確かめて好みの香りを選びましょう。

ストレスや緊張を和らげ、頭痛や神経痛の痛みなどを鎮めます。また殺菌消毒作用があって、応急処置にも便利です。抗ウイルス作用があるので、日常的に使うと風邪の予防にもなります。

フローラルでウッディーで、くっきりとしたハーブ特有の香り。ハイクオリティーのラベンダーは、エステルが多い分、香りが優しく品がいいです。鼻の奥にもたつく、もわっとするような湿度感が少ないです。

血圧を下げて心臓を鎮静します。痛みを和らげる効果も高く、捻挫、寝違い、リウマチに有効です。

女性系トラブルなど全般に有効ですが、妊娠初期は使用を控えましょう。やけど、皮膚の炎症や痒み、虫刺されなどにも使えます。特にやけどや虫刺されは直後に塗ると、やけどに特有の刺すような痛みを避けることができますが、時間が経ってしまうと効果が薄れます。

スパイク・ラベンダー

真正ラベンダーとよく似ていますが、葉が大きくざらざらしています。花は灰色がかった藤色で、茎に密集して咲きます。真正ラベンダーよりも強力な殺菌消毒作用、抗真菌作用があります。

呼吸器系の病気に有効で、呼吸をとても楽にしてくれます。抗ウイルス効果、免疫向上効果もあるので、免疫力もアップします。緊張型頭痛の原因になりやすい胸鎖乳突筋や僧帽筋、板状筋の硬直をほぐしたり、こめかみにブレンドオイルを塗布してもいいです。筋肉を緩める効果があるため、老廃物や凝りがたまった頑固な肩こり、腰痛、疲労感にもいいです。

ラベンダーの香りに、カンファーが加わっているので、よりくっきりフレッシュな香り。ラベンダーとローズマリーをブレンドしたような香りです。

ラバンジン

真正ラベンダーとスパイク・ラベンダーの交配雑種です。鎮静作用は真正ラベンダーの方が強いです。爽やかでカンファーとウッディー調のハーブらしい香り真正ラベンダーをよりくっきりさせた香りで、カンファー臭はありますが、スパイクラベンダーほど鼻につんとくる感じはありません。真正ラベンダーよりもすっきりとした香りを感じるため、真正ラベンダーよりも好きという方も少なくなく、使いやすい香りです。

真正ラベンダーよりもエステルが少なく、眠くならないため、日中の使用にも向いています。カンファー、シネオールを含むため、老廃物を分解し流すことが期待されるため、筋肉痛、リウマチ、肩こりに効果を発揮します。

いかがでしたか?

私は日常的にラベンダーを使用していますが、特にわかりやすいのは、やけど、虫刺され、リラックス、婦人科系のトラブルです。皮膚に直接塗布したり、キャリアオイルにブレンドして使用したり、お風呂に入れたり、衣類に付けたり、洗濯機に入れたり、枕に垂らしたり、ハーブティーを飲んだり、マスクに垂らしたり、ディフューザーを炊いたり、もちろんアロマキャンドルを使ったり、本当に万能な精油です。

私にとってはなくてはならない精油ですが、効果はもちろん、香りも大好きです。数え切れないくらい嗅いでいるのに、なぜか懐かしくはならない、南フランスのプロヴァンスを思い出す特別な香りです。日本では北海道が有名ですが、まだ私はその時期には訪れたことがないため、日本の香りという印象がありません。南フランスの香りを嗅いでいるような特別感が、また気分を良くさせているのかもしれません。

今もフランスのラベンダーを嗅ぎながらブログを書いているのですが、嗅ぎながら書いた方が圧倒的に集中力が上がります。これは初めてのトライだったので自分でもびっくりです。ぜひ皆さんもお試しください。